連載:おとなの絵本

「おばちゃんと僕と神戸は新開地」

 
 僕の仕事場は、神戸の新開地と言う所。
 どんな所かと言うと、まあ、簡単に言うと神戸で最も下町。
 そんな関西の下町ならではの、こんな一コマ。
 ――――
 公園前の信号を待っていると、
 いきなり後ろから肩をたたかれて、
「急に寒なったなあ」
 振り返ると、見知らぬおばちゃん。

 おばちゃんが言う。
「風邪に気ぃつけや」
「は、はい」
(おばちゃん、通り過ぎる)

 と、また、肩とんとん。
 振り向くと、新たな見知らぬおばちゃん。

 おばちゃんが言う。
「あんた、知らんおばちゃんに肩たたかれとったやろ、ぎゃはは」
(あんたも、知らんおばちゃんや