短日にフライパンで牡蛎炒め



 短日や米寿の母の銀の匙  永川絢子

 短日の朝も夕べも星仰ぐ  稲畑汀子

 星消えてゆく短日のはじまりし  稲畑汀子

 短日の富士全容を惜みなく  安原葉

 短日に小買い物急く心地して アロマ

 短日や日の逃げやすき茶碗坂  橋添やよひ

 短日やきつねうどんに待たさるる  楠原幹子

 短日を追ひかけてゆく消防車  堀内一郎

 短日や大根おろし美味なりし  アロマ

 短日の部屋を飛び交ふ電子音  本橋葉月

 短日の鯊口開いて焼かれをり  浜口高子

 短日の時間やりくりせしも旅  稲畑汀子

 地下街に遊び短日