江戸時代の始めと終わりを見つめた「二条城」

  京都市営地下鉄の「二条城前」の駅を上がると二条城東大手門に続く堀が見える。この城は、徳川家康の将軍宣下に関連する行事が行われたところであり、15代将軍慶喜が江戸時代を終わらせる「大政奉還」を宣言した所でもある。その後、維新後は、皇室に属し、その後京都市に下賜され現在に至っている。国宝であり、世界遺産を構成する要素でも有る。

 この城は、言ってみれば江戸時代の入り口と出口を担った所だが、長い徳川幕府の時代そのものへはそれ程重要な役割を担ってはいなかった。絢爛豪華なその城は、朝廷の権威に対峙する時だけその偉容を示し、政務は当然江戸・・・、と言うことだ。