あかあかと吉野は藷を洗ひあげ 日原傳
うす味に馴らされて今日走り藷 朝倉和江
大学芋は黄金の糸を引き アロマ
コロッケに藷のかたまり夜学果つ 辻桃子 ねむ 以後
海近き夜明の藷の畝が冷え 中拓夫 愛鷹
甘藷を掘り運ぶラジオを鳴らしづめ 右城暮石 声と声
甘藷を掘ることを暮色の中に止む 山口誓子
海に日が落つるや藷を掘り疲れ 田村吾亀等
大鍋の芋雑炊に舌鼓 アロマ
甘藷にも鰯にも溺れそめにけり 徳永山冬子
藷蒸かす蒸し器四角いアルマイト アロマ
秋風や甘藷酒通す咽仏 野村喜舟 小石