連載:妄想爺やの春夏秋冬6

年惜しむドナー登録せむ身体 人生の大掃除 遺すもの

町内会の50代の男性にドナー登録している人がいる

登録カードなるものを常日頃、携帯しているそうだ

移植する臓器により、提供者の年齢制限が異なり、やはり持病等により適格不適格もあるようだ

僕はドナー登録をしてはいない

僕はと言えば、もう還暦を過ぎていて、今からの登録はできない臓器は多いはず

よくよく考えれば、献血でさえしたこともない

ドナー登録している彼に、なぜ登録をしたのかを聞いたことがある

意外にも、深い理由はないようだった

ただ、自分が死んだ後、自分の臓器が人の役に立てればということだった

それを聞いて、それこそがドナー登録の本意で