幼き日春着の記憶朧気に



 《 昨晩は冷凍野菜入りのおじやを作る

  法蓮草にオクラ だしに塩、醤油

  お刺身盛り合わせにメンチカツ

  スイーツはきんつば等 》


 行きずりの春着の衿のすみれ色  萩原記代

 春着佳し招待席に一家族  高橋さえ子

 今はむかし春著は母の仕着せにて  大橋敦子

 春着の児所作に小鈴の音が添ひ  田所節子

 廻転扉の玻璃抜け出でし春着の娘  鎌田篤

 紅梅の幹もて染めし春著とや  稲畑汀子

 幼き日春着の記憶朧気に  アロマ

 畳紙を解けば春着の花こぼれ  森下清子

 睨み鯛春着の刀自と一対一  品川鈴子