雪の朝ミルク沸かしてココア入れ



 雪しきり見慣れぬ街となりゆけり  市橋章子

 四方開く鐘楼雪の通り抜け  大森ムツ子

 三泊が四泊となる深雪宿  山中楠雄

 ひとりでに扉があき雪の街に出る  能村登四郎

 雪の街茜に染まる日暮れかな  アロマ

 雪積もりスローテンポな街模様  川副民子

 雪被り客待つ蟹や長万部  小黒加支

 鷽の声雪の山畑渡りけり  矢上万里江

 雪明り礼拝堂の透明に  北村すなほ

 粉雪つむ誰も乗らない初発バス  鈴鹿仁

 北帰行霙が雪に変りけり  泉田秋硯

 大山(だいせん)の初冠雪を機長告げ  鷹羽狩行

 六