この世は有限だから美しい

(日本経済新聞「書評」・・コロンビア大学教授・ブライアン・グリーン著「UNTIL THE END OF TIME (時間の終わりまで)」青木薫訳 講談社 (評者)独立研究者・森田真生 ’22 年1/22 朝刊より)

どんな人も老い、やがて亡びていくように宇宙の惑星や恒星、銀河もいつか滅び消滅してゆく。これは物理学の「熱力学の第二法則」として定式化されている原理の帰結である。

この著者(ブライアン・グリーン)の言葉を借りれば「宇宙に存在する全てのものは、衰え劣化して朽ちる」。でも、そうだからこそ「生命は美しいし、生きていることの喜びが深化する」とも言