自販機に飛び出す珈琲冬銀河



 薔薇の芽や雲はあしたへ急ぐなり  山路紀子

 何色の薔薇の花芽と問ふことも  稲畑汀子

 冬銀河イヤホンに聴くシベリウス  栗原公子

 北欧の宿の露天湯冬銀河  鏡英子

 甘老海の青き卵や冬銀河  熊川暁子

 終バスを一人降り立ち冬銀河  森清信子

 冬銀河庭に見上げて逍遥す  アロマ

 遠ざかる夜汽車の音や冬銀河  布施由岐子

 ライターの焔チカリと冬銀河  岩瀬良子

 グラスを翳して光る冬銀河  アロマ

 息切れるほど走りたし冬銀河  津田このみ

 冬銀河ワインの箱に世界地図  曽根田幸子

 山宿に語