春障子 硝子に透ける庭の景



 薄れ日に白を濃くして水仙花  礒貝尚孝

 きほふ葉の香の立ちのぼり野水仙  池乗恵美子

 裏庭に水仙咲いて美しく  アロマ

 水仙の花や独りが好きと言ふ  久保夢女
 
 水仙の花の灯台鷹放つ  神蔵器

 掛筒の水仙にほふ目覚かな  梅原悠紀子

 水仙の香の馥郁と新世紀  三澤福泉

 風に乗り雨に消ゆる香野水仙  稲畑汀子

 僕んちの白い水仙咲きました  わたなべじゅんこ
 
 朝市に水仙を売る少女かな  青池亘

 春を待つ泥炭パック塗りまくり  石岡祐子

 都電から家の裏側春を待つ  鈴木多枝子

 春