連載:闘病日記

闘病日記(13)

体力も80%くらいに戻り、食事も普通のものがとれるようになった。今日は(昨日)、妻を車に乗せて食品や生活用品をかいにでかけた。

いつの頃からか覚えていないけれど、ハンドルを握り妻を隣に乗せて、買い物にでかけるこの時間が、とても幸せなことだとわかるようになった。とくに会話するわけでもなく、山の雪が増えたねとか、日陰のみちは雪が圧雪になっている、木陰のせいだとか、そんなことをつぶやきながらハンドルを操作する。

自分にはわかっている。いつのことかわからないが、死の床に伏せているときに、人生を振り返り、あのときに日だまりの中で車を運転して、他愛のない会話を妻