山肌を小鹿駆け行き春うらら



 いつ唄ひ出すやも知れぬ春の月  保科次ね子

 しののめの糸の如くに春の月  飯田泰子

 春の月満月の色淡淡と  アロマ

 丘にいま夜明も近き春の月  阿部ひろし

 ふつと気の抜けてうららかなりしこと  稲畑汀子

 百均に購うノート春うらら  新谷フクヱ

 春うららパンも勝手に焼き上がる  明星舞美

 春うらら紅茶にクッキー薔薇咲いて  アロマ

 海うらら鬼の洗濯岩怠け  能村研三

 山間の蕎麦処に春うらら  アロマ

 山肌を小鹿駆け行き春うらら  アロマ

 うららかや戯画の蛙が小躍りす  大石よし子

 うら