天の川夜空の星は数知れず



 美酒や春の屏風のいろは歌  鈴木鷹夫 風の祭

 桝席は「いろはにほへと」初芝居  奥村すみれ

 驟雨過ぎ紅葉あかりのいろは坂  佐藤慈子

 良寛のいろはくるりと紙風船  文挟夫佐恵

 卒寿から年は数えず屠蘇の酔  蔵巨水

 ここは信濃唇もて霧の灯を数ふ  加倉井秋を 午後の窓

 朝顔を数ふ子の声朝はじまる  つじ加代子

 冬ざれや樹々数ふべき筑波山  蕪村

 声出して網の目数ふ毛糸編み  右城暮石

 白菜の山に身を入れ目で数ふ  中村汀女

 村の子ら瞳凝らして鶴数ふ  泉 孤雲

 浅間山きげんよし春星数ふべく  前田普羅 春寒