連載:短歌、百人一首

[三十六歌仙]27 藤原清正。代理で恋の歌を送っときました

■■藤原清正(きよただ)■■
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天つ風 ふけひの浦に ゐるたづの などか雲居に かへらざるべき

天つ風が吹くという名の吹飯の浦にいる鶴が、どうして雲の上に帰らないことなどあろうか。
――そのように、私もいつかは再び昇殿を許されるであろう

今で言うところの和歌山県知事として赴任するとき
紀伊の歌枕「ふけゐの浦」に言寄せて、いつか帰京し昇殿を許されることを願って詠んだ歌。

和泉国の歌枕に吹飯の浦(ふけいのうら)があるが、
昔から、紀伊国の歌枕吹上(ふき