目つぶりて海女が髪硫く桃の花 　樋口英子

　ポイプ椅子出払ひにけり桃の花 　飯塚ゑ子

　桃の花 満開にして紅濃し　　アロマ

　遠山に雪置き桃は花見頃 　東海千枝子

　桃の花甲斐の空まで染めにけり　 唐澤まさし

　満月や桃の花咲く里の上 　須賀敏子

　桃の花甲府盆地をあふれだす 　根岸善行

　有明けの鯛の田麩や桃の花　 雨村敏子

　桃の花春慶塗の昼行灯 　福田かよ子

　雛の膳小さく桃の花添へて　 黒澤登美枝

　お茶席に桃の一枝を柱掛け　　アロマ

　桃咲いて会釈の美しき夫が里　 田代ヨシ

　厨の窓に桜桃の花押