冷奴炎暑に生姜と葱で食ぶ



 冷奴今も昔もそれなりに  亀田虎童子
 
 夕景の中に身を置き冷奴  村越化石

 冷奴ありて傘寿の余生なる  笹倉さえみ

 冷奴些事のうれひは切捨てに  鈴木まゆ

 夕風やわさび利かせて冷奴  能勢栄子

 冷奴炎暑に生姜と葱で食ぶ  アロマ
 
 冷奴薬味刻むは夫の役  年森恭子

 どちらかと言へば木綿の冷奴  大島翠木

 冷奴郷里の豆腐真四角よ  アロマ
 
 冷奴ドイツの旅の締めくくり  遠藤逍遙子

 冷奴風縦横の座敷かな  山口まつを

 真ん中に臍もつてゐる冷奴  吉村摂護

 時折は褒められもして冷奴