栃木・益子で「用の美」を考える(濱田庄司記念益子参考館)・・・「中国は嫌いだ、韓国は厭だ、ロシアは怖い」と言うバカバカしさ

 「用の美」という言葉が有る。美を追究するために作られた造形物より日常のため作られたモノに真の美を見いだそうとする姿勢だ。例えば、李朝時代の無名の職人によって作られた民衆の日用雑器に、それまで誰ひとりその美的価値を顧みるものはいなかった時代。しかし、その美をいちはやく評価し、民衆の生活に厚く交わる工芸品のなかに、驚くべき美の姿があることを発見したのが柳宗悦である。柳の考え方に共鳴し、手仕事の制作現場や、日本や朝鮮やイギリスの器から受けた影響をもとに、実用的で簡素な造形の美しい器を次々と生み出した陶芸家に河井寛次郎・濱田庄司・バーナード・リーチなどがいる。