錦帯橋流れさらさら水澄めり



 ヴィオロンの佳境に酔ひし夜の秋  岡谷栄子

 追ひこさぬやうに後ゆく夜の秋  垣岡暎子 火星

 灯のならぶ遠くの橋や夜の秋  白石正躬

 幼子の寝息やさしく夜の秋  本多慶子

 背をむずと山気がつかむ夜の秋  布川直幸

 夜の秋眠れそうで眠れない  アロマ

 角打ちの枡酒旨し夜の秋  能村研三

 三井寺の鐘の音色も夜の秋  稲畑廣太郎

 恵まれし家族の絆夜の秋  稲畑汀子

 夫先に帰つてをりし夜の秋  今橋眞理子

 仄かに果物香る夜の秋   アロマ

 マルガリータの塩ききすぐる夜の秋  三宅文子

 高層に