浜の名が好きで来し海春日傘 藤田信子
母となり出づる病院春日傘 溝上青甕
はなびらのごときをたたみ春日傘 片山由美子
南国の旅へ用意の春日傘 稲畑汀子
春日傘たたむ小さき眩暈かな 岡本眸
春日傘カットワークのクリーム地 アロマ
春日傘たゝみしよりの貴船道 井上兎径子
お彼岸や末寺の尼ぜ本山へ 星野立子
こゝにきて 彼岸の入日 額にうける 吉岡禅寺洞
彼岸会の風にのりくる牛の声 神坂知恵子
噴煙の仁王立ちして山笑う 仲丸くら
太陽を必ず畫く子山笑ふ 高田風人子
山見えぬ部屋に通さ