少しはきれいになったでしょう!

 妻は畑にはほとんど手を出さなかった。ナスやキュウリの苗植えの時、ジャガイモを蒔く時・収穫の時だけ、やらせてあげてた。
 
 妻は庭だけを自分の領分と決めていて、それも南側の裏庭だけで、時々 草を取って 人の好い笑顔で・得意げに「どう、少しはきれいになったでしょう!」と云ったものだ。

 もちろん、ボクは「おっ、なかなかやるじゃん」なんて誉めてたけど、もっと誉めてやればよかったなと思う。妻はボクに誉められたがってた・認められたがってた。ボクの生徒にさえなって、歴史講座も俳句史講座も事前に資料はプリントして配ってあるから、ボクにいろいろ質問しながら予習も復