剣と盾を持つ少女

 陸秋槎の「盟約の少女騎士(スキャルドメール)」を読了した。著者は1988年中国の北京生まれのミステリ―作家で、現在は福井県に在住している様である。本書は、陰謀に立ち向かう少女騎士の姿を描いた、少しミステリー風味の、中世風ファンタジーである。
 物語の舞台は、建国戦争の結果、海の女神を信仰するゼーラント王国と、火の神を信仰するエルドゥリア王国が並立するヴィグリド大陸であり、甲冑の騎士達が戦争を繰り返している時代である。最近の情勢では、エルドゥリア王国がゼーラント王国を押し気味であり、そのためにゼーラント王国の王はエルドゥリア王国のロザムンド王女を後妻に迎