日経平均株価が4万円を突破した。高騰し続けている理由としては新NISAの導入や中国株に見切りをつけた投資家からの資本流入などがあるが、何といっても米国株の上昇が筆頭にあがるだろう。米国株が急上昇している最大の要因はエヌビディアなど生成AIに関連する半導体メーカーの躍進である。生成AIに関する期待感は異常なほど跳ね上がっている。AIが人間を超える日、「シンギュラリティー」はすぐそこまで来ているそう…
フランシス・ハーディングの「呪いを解く者」を読了した。著者は英国在住のファンタジー作家である。本書は、糸をほどく様に呪いをほどくことのできる十五歳のほどき屋の少年と、彼に呪いをほどいて貰った少女の二人が巻き込まれた陰謀を描いた、ミステリー風味の冒険ファンタジーである。 物語はラディスという架空の国であり、大商人達による政務庁と呼ばれる政府が統治している。ラディスと海岸の間には、原野(ワイル…
Rakuten BLOGで、「92歳老人の恋物語り」という投稿を見つけた。 某雑誌に載っていた小説を読んだ感想で、そのあらすじを記した後、次のように書いている。 「介護老人は毎日みているし、介護士も見ているが、その両者で恋心が起こるとは考えてもみなかったが、ありえることだと思った。介護士は全ての通所利用者の面倒を見なければならないし、皺だらけの特定の老人に恋心を抱くことはないと思うが、…
万城目学の「八月の御所グラウンド」を読了した。著者は、第4回ボイルドエッグズ新人賞を受賞してデビューしたファンタジー小説作家で、「万城目ワールド」と呼ばれる奇想天外な作風で知られる。本書は、京都を舞台とした、スポーツをモティーフとしたファンタジーの中短編集である。 「十二月の都大路上下(カケ)ル」:サカトゥーこと坂東は高校陸上部の駅伝の選手であるが、彼女の学校は二十七年振りに女子全国高校駅…
伊坂幸太郎の「マイクロスパイ・アンサンブル」を読了した。著者はミステリー作家で、本屋大賞と山本周五郎賞を受賞しているが、直木賞候補にノミネートされることを辞退していることで知られている。本書は、猪苗代湖の音楽フェスティバルで毎年配布した短編を単行本化したものであり、現実世界の会社員とパラレルワールドのマイクロスパイを主人公とした一種のファンタジーである。 一年目:猪苗代湖の畔で任務を終えた…
フランシス・ハーディングの「ガラスの顔」を読了した。著者は英国在住のファンタジー作家である。本書は、生まれつき表情をもたず、面(おも)と呼ばれるつくられた表情をまとう人々が暮らす地下世界で、都市全体を揺るがす陰謀に巻き込まれた少女の奮闘を描いた、ミステリー風味の冒険ファンタジーである。 物語の舞台は、迷路のように入り組んだ、架空の地下都市カヴェルナであるが、その都市に住む人々は生まれつき表情…
陸秋槎の「盟約の少女騎士(スキャルドメール)」を読了した。著者は1988年中国の北京生まれのミステリ―作家で、現在は福井県に在住している様である。本書は、陰謀に立ち向かう少女騎士の姿を描いた、少しミステリー風味の、中世風ファンタジーである。 物語の舞台は、建国戦争の結果、海の女神を信仰するゼーラント王国と、火の神を信仰するエルドゥリア王国が並立するヴィグリド大陸であり、甲冑の騎士達が戦争を繰…
万城目学の「ヒトコブラクダ層ぜっと(上、下)」を読了した。著者は、第4回ボイルドエッグズ新人賞を受賞してデビューしたファンタジー小説作家で、「万城目ワールド」と呼ばれる奇想天外な作風で知られるが、最近はレパートリーを広げる努力をしている様に思われる。本書は久々の万城目ワールドであり、特殊な能力をもつ天地人の三兄弟が、イラクの砂漠で時空を超えた大活躍する姿を描いたファンタジーである。 本書の主…
ひとりには余る夕日を花野道 黒滝志麻子 わらべらの花野にわれも入りゆけり 岸田稚魚 ほしいまま花野に埋もれ風靡く アロマ 大花野夕日は赤き玉となり 中村明子 夕花野人声近きところ過ぐ 木村蕪城 寒泉 天近き花野にまろび刻もなし 相馬遷子 夕月懸かる花野のファンタジー アロマ 別れ路のいづれ選ばむ夕花野 林翔 大阿蘇の浮びいでたる花野かな 野…