連載:妄想爺やの春夏秋冬7

いつまでも返事が書かれない伝言板 懐かしい電車旅行

毎日、短い、電報のような伝言が書き続けられた

返事はなかった

落書きのようなものもあった

書いてある伝言を読んで、消している者がいるのだとも思うが

昭和の頃、電車のホームにある待ち合わせ場所に伝言板があった

昨今のように、携帯電話などなかった時代

待ち合わせ場所であろう駅で、時間通りに会えない人らが書いた伝言は色々

先に行くとかいう伝言が多かったように記憶している

なかには、場違いな恋心の告白が書かれていたりもした

デートをドタキャンされたのだろうか

だが、たいがいは返事の書かれていない伝言だった

たぶん、遅れてきた者がその伝言を見