ワンピース立夏の色合いふんだんに



 鯉のぼり選句の窓に溢れたり  大坪景章

 谷川をまたぎ意を得て鯉のぼり  保坂加津夫

 鯉のぼり朝に夕に山の風  中山純子

 辣韮を漬けて半日終はりけり  笹倉さえみ

 辣韮を漬けて心も豊なり  先崎きくよ

 その昔瓶詰め辣韭美味なりし  アロマ

 辣韮や砂丘を渡る風の声  老川敏彦

 辣韮剥く灯しいきいきして来たり  甲州千草

 いつせいに松の芯立つ日なりけり  塩田博久

 磯松の芯の総立つ大砂丘  水原春郎

 廃屋に伸び放題の松の芯  藤田寿子

 少年の口笛透きて松の芯  中村阪子

 松の芯記憶の彼