持ち帰りゐしは吉野の華鬘草 稲畑廣太郎
母子寮の昼しんかんと華鬘咲き 長沼紫紅
純白の華鬘草とは珍らしき 大石喜美子
うつくしくいま苗代に入る足 中原道夫
糠雨の降るや陸稲の苗代に 春田淳子
魚沼の雪を掻きたる苗代田 田中明子
初夏のたそがれ色にある仲間 山田弘子
しばらくはテラスに語り初夏の風 梅田実三郎
初夏や色とりどりの靴の店 笠原フミ
画廊当番おむすび食べて初夏の風 千島町子
駅ビルのトラツトリアの初夏メニユー 小林かいう
初夏の風通りに吹いて街を行く