旅の宿檸檬ハイの味すっきりと  



 かたつむり旅立ちに見て雨の岐阜  大野林火 月魄集

 一日一日は旅立ちに似し諸葛菜  山田みづえ 手甲

 過去未来つなぐ花野に旅立てり  島みえ

 噴煙にのりて旅立つ神ならん  大久保橙青

 片づきて心涼しく旅立ちぬ  星野立子

 旅立ちは人生の岐路とも思え  アロマ

 冬の蝶々よ旅立つという山頭火よ  近木圭之介

 旅立つや真桑も甘か月もよか  芥川龍之介

 旅立ちの一花や朝の駿河蘭  節子

 旅立ちの街なかに蓮ひらきけり  柿本多映

 旅立ちの目覚めの木槿ほのかなり  林原耒井 蜩

 旅立ちや夢のごとくに桐が咲き  近藤一