豪州に聴くワライカワセミの声



 蝦夷はまだたんぽぽ咲いて旅人に  汀子

 鏡の間秋の旅人としてうつる  能村登四郎

 渡仏してモンサンミッシェル素晴らしき  アロマ

 行く春や旅人憩ふ栃のかげ  前田普羅 飛騨紬

 秋風や旅人のせて石舞台 山口青邨

 秋らしき湖となり旅人帰る  尾崎放哉 大正時代

 雪だるま残し旅人宿を発つ  新田千鶴子

 人も旅人われも旅人春惜む  山口青邨

 闘牛場我は旅人日除帽  高木晴子

 大和路や旅人ひとりの春晩るる  伊丹三樹彦

 若葉して旅人巡る紀伊半島  アロマ

 旅人となりきる春の夜の地酒 岡本眸

 旅人と旅人の子の初霞