「旧皇族の宗家・伏見宮家に生まれて」を読む

本書は上皇陛下の従兄、天皇陛下の従伯父にあたる第24代伏見宮家当主、伏見宮博明る殿下が、自らのお言葉で昭和・平成・令和を語られた貴重な史実である。伏見博明オーラルヒストリーが副題だ。本年1月の新書である。

昨今、「A宮家」、ならびに元皇族M子夫妻が何かと話題になっている。そうした現状から旧宮家筆頭の伏見宮家の当主である博明氏の著書に着目した。伏見宮家は室町時代に崇光天皇(北朝第三代)の第一皇子栄仁親王を祖としている。崇光天皇は今日の皇室と旧皇族11宮家の男系共通の先祖たる天皇である。

昭和7年生まれの博明氏は今年で90歳、まさに皇室を知悉した元皇族で