連載:闘病日記

闘病日記(39) 西谷啓治氏の体験に照らして

前日記で、夜明けの光を浴びることで、根源的なところにある生へ向かう気持ちの存在を実感したということを記した。じつは、お気に入りさんが読んでいると紹介された、哲学者の西谷啓治氏の「私の青春時代」という文章にも、同様と思われる見解があった。

以下引用。
「・・・その意味で当時の私は、自分では気づかずに、存在と虚無という哲学の根本問題のうちに生きていたわけである。私には、to be or not to be というハムレットの気持ちが実際よくわかる気がしたのである。絶望に抵抗し得たその力は、普通の意味の希望とは違った、ある特殊な希望であった。いわば生そのもの