蝦夷の旅バスの窓から鹿を見る



 対岸に子鹿たたずむ梓川  西正子

 鹿の子はや涼しき斑を放ちたる  中原道夫

 戒壇院案内の僧に鹿の子蹤き  神谷文子

 稚い鹿の子の瞳にふか緑  小谷ますみ

 山間の蕎麦処にて小鹿見る  アロマ

 洗ひたるやうに鮮やか子鹿の斑  川田さちえ

 ひょろと立ちあなやとへたる鹿の子かな 大橋敦子

 なだらかな山肌駆ける小鹿達  アロマ

 子鹿来て鳴く声真似て鳴き返す  わかやぎすずめ

 木洩れ日に揺れて鹿の子斑をふやす  北川キヨ子

 鹿の子や奇麗な蕾大好物  水谷直子

 鹿の子群れ渡る大路や赤信号  柳橋繁子