鮎食めばつくづく昔思われて



 極上の酒肴麦藁蛸なりと  西村しげ子

 麦藁蛸噛んで古稀とはこんなもの  梅村すみを
 
 信濃路や馬刺四葩の藍添へて  永井雪狼

 早ばやと客の起きだす鮎の宿  小池清司
 
 鮎の瀬のそよ風ときにつむじ風  西田孝

 孕みたる鮎川底を嫋やかに  谷渡末枝

 我もまた時の旅人上り鮎  近藤喜子

 清流にもまれ馥郁今年鮎  難波篤直

 どの部屋にも風の等しき鮎の宿  松田明子

 鮎食めばつくづく昔思われて  アロマ

 煮浸しの鮎柔らかく祝膳  枝みや子

 白波の川上へ鮎走りけり  白数康弘

 若鮎の天麩羅