連載:環境

日本の明日

ナチが共産主義者を襲ったとき
自分はやや不安になった。
けれども結局自分は共産主義者でなかったので、
何もしなかった。
それからナチは社会主義者を攻撃した。
自分の不安はやや増大した。
けれども依然として自分は社会主義者ではなかった。
そこでやはり何もしなかった。
それから学校が、新聞が、ユダヤ教徒が、
というふうにつぎつぎと攻撃の手が加わり、
そのたびに自分の不安は増したが、
なおも何事も行わなかった。

さてそれからナチは教会を攻撃した。
そうして自分はまさに教会の人間であった。
そこで自分は何事かをした。
しかし、そのときにはすでに手遅れであった。