解明されたヒトゲノム

 マイクル・コナリーの「警告(上、下)」を読了した。著者はアメリカ在住のミステリー、ハードボイルド作家である。本書は、真実の報道に命を懸ける、事件記者のジャック・マカヴォイを主人公としたシリーズの第三作である。本書では、一夜の情事を共にした女性を殺害したとの嫌疑を掛けられたマカヴォイが、それを契機にDNA鑑定業界の裏に存在する闇を追及する姿が描かれている。
 物語はクリスティナ(ティナ)・ポルトレロという女性が、バーで知り合った男と彼女の自宅で情事を共にした後、その男に首を折られて殺害される場面から始まる。その男は死にゆく彼女に、自分の名前は百舌だと囁く