雷一打揺さぶる如くやって来た



 雷一打揺さぶる如くやって来た  アロマ

 ふと覚めて耳澄ましたり遠雷す  種田山頭火

 遠雷や裾うつくしき八ケ岳  及川貞 夕焼

 木の無花果食ふや天雷遠き間に  西東三鬼

 柚子切るやゆるやかな雷遠くから  加藤秋邨

 遠雷や髪やはらかき児の欠伸  かたぎり夏実

 遠雷や膝もとに置く朱塗り椀  鍵和田釉子 武蔵野
 
 遠雷や突然に草そよぎ出す  鈴木鷹夫 風の祭

 突然の雷の一打に驚きて  アロマ

 遠雷や木偶のからくり竹と紐  那須淳男

 遠雷や野の重心のうつりゆく  藤野武

 塩壺の塩かきおとす遠き雷  岡本眸

 古代