連載:なにを君死に急ぐや

通夜の席 Ⅱ

思いがけなく早かった梅雨明けに慌て、6月なのに真夏の暑さに急に面変わりした太陽に辟易している時、登録のない携帯番号から電話があった。

「ヨナ! 世津子さんのご主人が亡くなられたと言うお話しよ。聞いている」
「ええっ知らない。いつのこと」
「自宅で倒れて、千葉大病院に運ばれたけど、ダメだったみたい。先週の・・・」

この電話の主は、もう20年以上も前に辞めた職場スタッフからだった。英恵とは、別の件で最近話したばかりだったから、思いだし掛けやすかっただろうか。

今夜、その通夜の席に着いた。
近頃には珍しく、家族葬でなく、普通の葬儀をすると言うので、久々に