空蝉

今朝、今年になって初めて蝉の声を聞いた。
唐突に梅雨が終わり、酷暑が続いたので、出現する機会を見失ったのかもしれない。
例年より遅いような気がする。

蝉が羽化した抜け殻のことを「空蝉」という。
「からせみ」ではなく「うつせみ」と読む。
これは、文字通りセミの抜け殻を指す言葉である。
しかし、その語源は少し違うようだ。

「うつしおみ(現臣)」の約まった表現「うつそみ」の転訛であるそうだ。
「空蝉」は当て字で「虚蝉」とも書く。

もともとの意味は「現に存在する人間。生きている人間」とか「現世、この世」である。

浄土信仰による、つらく苦しいこの世は仮の住