連載:二人旅

「二人目の見覚えのある背中」谷川岳①

娘宅からの帰り、家の近くでいつものルートとは違う道を選んだ。そこは舗装されていない所がありバイクでは厄介だが、畑や田圃の緑が間近に感じられ爽快なのだ。

大きな凸凹を避け慎重にハンドルを握っていた。前に自転車が見えた。ママチャリではなく、細身のカッコいいやつだ。ヘルメットを被っている。

もしかして?え?まさか!大きな声で呼び掛けた。
「もしかして!」
イヤフォンをしている。大声で叫んだ。
「もしかしてぇ〜!」
振り向いた。

息子だ。笑っている。婿殿に続き二人目の「見覚えのある背中」だった。


娘宅にいる時、まだ間に合う県民割を何処で使おうとスマホで