若夏の清々しさに深呼吸



 若夏や海が笑ふと言ふ妻と  宮城勉

 若夏の藍よりあがる糸の束  宮川みね子

 若夏の清々しさに深呼吸  アロマ

 もう少し生きむと思ふ分葱植う  神蔵器

 初分葱茹でてゐる窓少し開け  大内幸子

 一滴の酢で緊りけり分葱和へ  藤岡紫水

 好みしは母直伝の分葱ぬた  蓮尾みどり

 日盛りに分葱刻んで素麺に  アロマ

 一湾に海女の磯笛土用凪  川崎良平

 サイダーをごくごく体内液状化  亀井福恵

 サイダーの香りに幼き日を思う  アロマ

 サイダーの木桶に浮きて山の駅  柴田久子

 サイダーや最高気温