雷去ってキラキラ眩しい木の滴



 雷や紅茶底まで透きとおる  中原幸子

 わが気欝吹き飛ばすかに梅雨の雷  稲岡長

 雷一打これまでで最も大き音  アロマ

 山頂や雷雲がバラ色に  三池泉

 鰤寄する能登の雷鳴先達に  益本三知子

 雷兆す新宿駅に降り立ちぬ  林裕子

 生姜板二つに割つて日雷  大和田鏡子

 再会の夜の本郷大雷雨  幡江美智子

 雷雲や形くづさぬ裏妙義  三嶋隆英

 その昔雷鳴れば停電か  アロマ

 校庭に太き白線日雷  佐藤博美

 水の香の夜気心地よし雷雨あと  斎藤道子

 寝入り端一喝巴里の大雷雨  佐藤淑子