連載:花万朶

聞こえなくなった祖母


祖母は中途難聴者でした。一緒に暮らしていたのですが、小学校に入るまで、その事に気づかなかったような気がします。

おばあちゃんっ子だったので、何も言わなくても、して欲しい事はしてくれたからです。弟妹が危ない事をしたりするとちゃんと言葉を発して叱っていました。

お隣に叔母が住んでいて、何事か祖母に聞きたいことがあると、私に聞いてくれるようにと言ってきました。その頃には私が祖母の通訳になっていたようです。
祖母は、ちゃんと話せたのですが、聞き取りはできません。私がゆっくりと話すと、私の唇の動きでわかってくれました。
ただゆっくりと話すだけなのに、叔母をは