第六話、シシィちゃん。

　我が家の猫が五匹になって、穏やかな日が二年ほど過ぎた、その間私は骨折や白血病で入院が続き、病室でノーパソで我が家のにゃんこたちの写真や動画を見てこの仔達に早く会える様頑張った。

　退院して家での養生が始まった師走も近い晩秋のころ、我が家の庭に一匹の黒い仔猫が姿を見せるようになった、妻がそのたびに餌をあげていたようだが、とても元気な様子で身体も比較的綺麗だから親の世話を受けているように思えた、当初は警戒してそばに寄ってこなかったが、私が餌の皿を持って仔猫の方に差し出すとそっと寄ってきて目の前で食べ始めた、そんな事が二・三日続