あかつきの秘色凝らせり池の蓮 加藤耕子
うす縁や蓮に吹かれて夕茶漬 一茶
くれなゐの蓮鑑真のために咲く 津田清子
現とも夢とも古代蓮の色 河本遊子
蜻蛉をしづかにどけて蓮ひらく 梅の門
蓮散華ひかりの雨の来たりけり 鍵和田釉子
白はちす目覚めむとする薄瞳して 上野さち子
目つむりて待たんかはちすの開花音 池野健
水あまき寺にてありし白はちす 上村占魚 鮎
黎明の雨はら~と蓮の花 高浜虚子
ざるそばや先にたま~蓮田あり 岡井省二 猩々
風触るる一弁立てて蓮ひらく 亀井糸游
黒谷