春の夢鳥のことばのよく解り 太田寛郎
春の夢みてゐて瞼ぬれにけり 三橋鷹女(1899-1972)
春の夢天空駆けてゐる「わたし」 樋口津ぐ
師弟共に若かりし夢春暁に 野中英照
葱抜くや春の不思議な夢の後 飯田龍太
軍服の若き夫来る春の夢 内堀正恵
春の夢水平線の近くまで 足立礼子
春の山見果てぬ夢を追ふごとく 三宅一鳴
春暁の夢匂はせつ花活くる 金尾梅の門
北前船泊つる九谷を春の夢 高橋睦郎
夜半の春するりするりと夢をぬぐ 川田由美子
日曜の前の夜に似し春の夢 鷹羽狩行
落花