顔面偏差値の高い男達 

 柿沼陽平の「古代中国の24時間-秦漢時代の衣食住から性愛まで-」を読了した。著者は東洋史学者で、早稲田大学文学学術院教授・長江流域文化研究所所長である。本書は、文献史料と出土資料に基づき、中国古代の秦漢時代に生きた人々の服装・食卓・住居から宴会・性愛・育児までを、1日24時間の生活として再現したものである。
 本書は、現代からタイムスリップした柿沼陽平という人物が、秦漢時代の一日の生活を体験するというスタイルを取っている。秦漢時代というと、我々は始皇帝、項羽と劉邦や三国時代の劉備、曹操、孫権をすぐに思い浮かべるが、本書はそれらの英雄達ではなく、主として