連載:お茶とマンボと御所の庭

お茶とマンボと御所の庭(2)


京都に路面電車が走っていた頃、一人の女性が降りてきた。

真っ赤なタイトのミニスカート、それも膝上30センチ、申し訳程度の長さで腰を隠していた。
細く長い脚は黒の網タイツで覆われて、足には真っ赤なハイヒール。

上着は白いタンクトップで、首には長いネックレスが三重に巻かれて光っていた。
レース編みの黒いロングベストはミモレ丈で、歩くたびに揺れた。

大きなつば広の帽子を斜めに被っている。つばは緩やかに波打っていて顔を隠していた。つばの上には、スカートと同じ真っ赤な芥子の花が二輪並んでついている。

腕にはお洒落な小さなハンドバッグ、指輪が幾つも細い指を