連載:花万朶

胸元に差し込まれた一万円札


そんなに大きくはない会社でしたが、一応セクレタリーと名前をつけてもらって、数人の女性で事務を任されていました。

セクレタリーは秘書と言う意味ですが、会社ではタイプを打ったり、書類制作などの事務をしていました。支店長の秘書は男性で、専用車のセンチュリーの運転手さんも別にいました。

支店長はユニークな方でしたので、独身の女性であるセクレタリーをオフィスの母と呼んでいました。

支店長目当てにいろんな人がやってきます。テーラーさん、広告社さん、事務用品屋さん、祇園のママさんなどなど。

オフィスの母にもお礼の品が届きます。
広告社さんは、デパートの催事で