結婚は好きだからだけではなく、必要だからするのだ。

 ボクは婚約した。

 それは裕美さんを独占したいからではない。むしろ、裕美さんのマラソンや女子会の付き合いを支援しようと思ってる。

 ただ、そばにいて欲しい。いなくてもいるように感じさせて欲しい。裕美さんはボクとは全然 世代が違うから文通はしない。ボクはA4で3枚くらいの手紙をしょっちゅう出すが、返事はメールで、あとはデートの時の会話で返してくれる。

 ボクは7人兄弟姉妹の末っ子だから、兄・姉は多いがみんな遠方にいて、自分の子どもや孫の家族のことに精一杯で、ボクへの関心は薄い。葬式にくらいは来るかもしれないが、いや、みんなボクより年上な