オリオン座頭上に眩し冬の夜



 エレベーター一気に下りて町薄暑  山下美典

 夏燕なれば一気に揚子江  鷹羽狩行

 夏空に坂道一気に駆け上る  アロマ

 子の丈を一気に越ゆる糸瓜苗  佐藤美恵子

 暁けの雲一気に去りぬ花うつぎ   桂信子

 窯場の戸あけて直ちに冬の畝  山口誓子

 寒き尾燈次々と吸ひ鯖街道  能村登四郎

 げんげ田の鷺や直ちに天へ飛ぶ  山口誓子

 園の門入れば直ちに萩の風  楠目橙黄子 橙圃

 次々に風落ちて行く花芒  中村汀女

 釜めしの次々噴いて十三夜  石川桂郎 高蘆

 袂より次々出し