何処からか漂い来る金木犀



 秋は遠くを見てくらすどびんの口  内田南草

 秋は絡まぬ石切槌の二挺の音  川口重美

 秋は日差し薄れて仄か夕  アロマ

 秋は野に早し爼濡らすたび  神尾久美子 掌

 秋はゆふぐれ対岸はニュー・ヨーク  遠山陽子

 秋はいま露おく草の花ざかり  飯田蛇笏 山廬集

 秋はまづ街の空地の猫じやらし  森澄雄

 秋は街路樹の黄葉に感動す  アロマ

 みちのくの秋はみじかし跳ぶ蝗  福田蓼汀 山火

 秋夕べ長閑漫ろに星光る  アロマ

 塩田の秋はにはかに星青き  佐野まもる 海郷

 御