柿色の反物選ぶ二十歳の子



 もぎたての朝の柿よく冷えてゐし  井上明華

 枕辺の朝の牛乳の冷え心地  アロマ

 いちまいの皮の包める熟柿かな  野見山朱鳥

 柿一つ食うて西京素通りす  廣江八重櫻

 熟れた柿嬉しく啜る輩かな  アロマ

 柿剥きつ凪ぎの船旅たたへあひ  五十嵐播水 埠頭
 
 柿啖へばわがをんな少年の如し  安住敦

 胡蘆柿の吹き粉を愛でゝ飾りけり  名和三幹竹

 あんぽ柿渋柿を硫黄で燻蒸す  アロマ

 信濃柿もろともに山寂びにけり  宮坂静生

 あんぽ柿何度も当たり頬緩む  アロマ

 青天の